トーマ・ヴェルナー(『トーマの心臓』より)
今、彼は死んでいるも同然だ
そして彼を生かすために
ぼくはぼくのからだが打ちくずれるのなんか なんとも思わない
人は二度死ぬという まず自己の死 そしてのち友人に忘れ去られることの死
それなら永遠に
ぼくには二度めの死はないのだ (彼は死んでもぼくを忘れまい)
そうして
ぼくはずっと生きている
彼の目の上に
陸橋からトーマが身を投げる衝撃的な冒頭シーンから物語が始まります。
ドイツの寄宿舎が舞台です。
ユーリは侵した過去によって心を閉ざしています。
トーマが死んだ後もトーマの死に動揺し、心は頑なままなのですが、
トーマそっくりのエーリクが転校してきたのをきっかけにユーリは少しずつ変わっていきます。
そして、エーリクによってトーマの死の本当の意味を知るのです。
漫画の中ではトーマは回想シーンしか出てこないですが。トーマの存在がそこにあるような透明感が漫画の中にあります。
この漫画本当に文学というか、すごいなと。
ユーリの気持ちの変化の表現の仕方とか、透明感のある絵だとか。
こういう絵が自分にも描ければいいなと思います。